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「女子学生交流会 ―工学系女性のキャリア形成―」を開催しました(6/10)

2025.06.12

6月10日に「女子学生交流会 ―工学系女性のキャリア形成―」を開催し、工学系に所属する女子学生・女性教員 21名が参加しました。
本イベントは「半導体の未来に向けた人材育成と研究開発のための日米大学パートナーシップ: UPWARDS for the Future」(詳細はこちら)の活動の一環として開催され、UPWARDSには工学系の女性研究者支援が含まれています。
 
【プログラム】
・開会の挨拶:
  田中 真美 教授(東北大学 副学長(ダイバーシティ担当)  / ALicE室長
      / 医工学研究科・工学研究科)
・ミニ講義:
  講演1:「理工系のキャリアとダイバーシティ&インクルージョン」
    青砥 なほみ 特命教授(広島大学 半導体産業技術研究所
     / 東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター 特任教授)
  講演2:「ジェンダード・イノベーション~性差分析がもたらす科学技術の発展~」
    佐々木 成江 教授(東北大学DEI推進センター 副センター長)
・ワークショップ:
  「女性静養室と託児室のリニューアルについて−女子学生と女性教員へのヒアリング−」
    工学研究科DEI推進プロジェクト 助教
 
■ ミニ講義:青砥 なほみ 教授
前半ではDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)のそれぞれの要素について、一つずつ背景を紐解きながら解説しました。Inclusion(包摂)は相互理解のために必要であること、また、マイノリティである人々に対し、そうではないマジョリティに属する人々が理解や共感を示し味方になることを意味する「Ally(アライ)」や、これらを支援する「Allyship」という概念について、実体験を交えて解説しました。
 
 
■ ミニ講義:佐々木 成江 教授
「ジェンダード・イノベーション」の概念とその歴史について、医学や工学の研究を例に解説しました。
ジェンダード・イノベーションとは、科学や工学などの分野においてこれまで見過ごされてきた「性差」を考慮することで、新たなイノベーションを生み出すという考え方です。
たとえば、治験や自動車の衝突実験では主に男性モデルが使用されてきたため、製品や技術が男性を基準に設計されており、その結果として、女性が被る健康リスクが男性よりも有意に高くなる事例が報告されています。こうした背景から、現在では性差分析を反映した研究が求められています。さらに近年では、性差に加えて、民族・年齢・社会経済的地位など、複数の差別が重なり合う「交差性(インターセクショナリティ)」の視点を取り入れた研究も進展しており、これらが新たな技術革新につながっています。 
 
 
■ 女性静養室と託児室のリニューアルに関するワークショップ
工学部の青葉記念会館の改修に伴い、館内の女性静養室と託児室がリニューアルされることになりました。そこで、工学系女子学生と女性教員らに意見や要望を募るワークショップを開催しました。
「静養室」は、労働安全規則等で事業者が設置しなければならない「休養室」にあたり、その目的は、病弱者や生理日の女性等が一時的に休養するためのものです。これらを踏まえて、実際に使う立場である女子学生や女性教員がグループで意見を出し合い、各々がイメージする間取りや機能について記載したアンケートを提出しました。
 
 
交流の様子
 
 ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。